2014年1月1日水曜日

あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

みなさまにとって、すてきな年でありますように。

虹有社スタッフ一同


新年のご挨拶 柴田純志(『ウェストファリアは終わらない』著者)

明けましておめでとうございます。

2014年がどのような年になるかにつきましてはまったく想像がつきませんが、2014年から過去を振り返ってみることは案外容易です。

冷戦は1989119日のベルリンの壁の崩壊によって実質的に終焉したということができると思います(こういう奥歯にものの挟まったような言い方をわざわざするのは、冷戦がいつ終わったかについて様々な議論があり得るからです)。2014年は、冷戦の終焉から四半世紀、25年が経過した年となります。考えてみれば、第2次世界大戦(これも大東亜戦争と言いたいところですが、それを太平洋戦争と言いたい人もいたりして、これまた議論のあるところです)が終了して25年と言えば、1970年、大阪万博の年なわけで、結構な時間の経過だと思われますが、正直言って、冷戦以後の25年間は1970年に至る25年間よりもはるかに短く感じられます。

少し時間を遡りますと、100年前、1914年は第1次世界大戦が勃発した年です。つまり、2014年は第1次世界大戦から100年の年でもあります。私たちは一般に、どこの国でも、自国の経験した最大の戦争から様々に大きな影響を受けています。日本人にとっては、やはり、第2次大戦の存在は大きく、日本人のものの考え方や社会のあり方にもっとも大きな影響を及ぼしています。戦争と言えば、第2次大戦をイメージするのが普通の日本人ではないでしょうか。あまりものを考えないと、てっきりどこの国も第2次大戦での被害が最大のものと考えがちですが(今のロシア、昔のソ連は確かにそうですが)、実は、案外そうではありません。イギリスでは、大文字で書くGreat Warとは第1次大戦のことで、イギリスの若者がもっとも多く死に、そして、傷ついた戦争が第1次世界大戦だったのです。イギリス人の持つ戦争のイメージはこの戦争から大きな影響を受けています。いずれお話しする機会があると思いますが、第1次大戦は、様々な意味で、世界の歴史の大きな曲がり角でした。実際に大きな被害を受けなかった日本人ではなかなか理解のできないところです。

ちなみに、アメリカ人が経験した戦争で、もっともアメリカ人の死んだ戦争は南北戦争で、海外での戦争よりも内戦での死者の方が多いわけです。第2次大戦よりも、朝鮮戦争、ベトナム戦争よりも南北戦争での方が死者が多かったというのは案外知られていないことで、アメリカ人の戦争観には、たぶん、それ故の独特なものがあるように思います。


2014年が、できるだけ戦争のない平和な年になってくれたらとは思いますが、どうもそうはいかないような気配です。新年の辞としては幾分不吉な感じとなってしまいますが、皆様方個々にとりましては、平穏で幸福な一年になりますことを心よりご祈念申し上げます。

柴田純志