2014年12月31日水曜日

2014年にできたこと。

大晦日です。
もうすぐ2014年も終わりですね。
今年もいろいろありましたが、反省することなく、達成したことだけを気分よく振り返りたいと思います。

今年できたこと。
まずは、『忘れてはならないこと 東日本大震災ボランティア活動報告書Vol.2』(亜細亜大学経営学部)の出版(5月)です。
この本は、2011年9月に発行した『東日本大震災ボランティア活動報告書Vol.1』の続編です(※紙の本は品切れ・重版未定です。電子書籍はこちらから)。
本書は、亜細亜大学経営学部の学生が主体となり、大学、地域の方と協同して、宮城県でボランティア活動を行ったレポート集です。学生たち自身の言葉で、東北への思いが書かれています。

次に、9月初旬に出版したのが、『はじめてのワイン法』(蛯原健介・著)です。
出版を控えた7月下旬に、議員立法で「ワイン法」の制定を目指す”というニュースが新聞等で報じられ、ちょっとびっくりしました。
本書の出版記念パーティーや、フード&ワインジャーナリストの鹿取みゆきさんが企画・コーディネートした蛯原健介先生のセミナー『ワイン市場と法律の役割を考える〜なぜ造り手はワイン法を必要としたのか〜』の懇親会などでも、参加者がそれぞれの意見を述べ、熱い議論が交わされていました。
ワイン法については、『日本ワインガイド』の著者である鹿取みゆきさんが講演した「ワイン法を考える 日本ワインの発展のために必要な法制度は何か?」というシンポジウムも開催されました(日本ワイン造り手の会・主催)。
今後の日本ワインにとって、とても重要なことなので、来年も注目していきたいと考えています。

それから、個人的に念願だったWEBの連載サイト「WEBなないろ」をたちあげることができました。
個性派揃いの著者陣が、犬、サバ、日本ワイン、富山、入浴など、さまざまなテーマで連載しています。
おかげさまで、順調にアクセス数が増えてきており、2015年にはこの連載をベースにした書籍が数冊誕生する予定です。

虹有社は、2016年6月に設立60周年を迎えます。
2014年は、ホップ・ステップ・ジャンプの「ホップ」の年として、十分に準備ができたと感じています。
2015年は、さらなる飛躍を…、とも思いますが、気負わず、マイペースで、華麗なステップを踏めればと思っています。

本年中はありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いいたします。
では、よいお年をお迎えくださいm(_ _)m
(S)



2014年12月4日木曜日

日本ワイン造り手の会主催のシンポジウムに行って来ました

東大はイチョウが黄葉まっさかり
2014年11月27日、東京大学弥生講堂アネックスで開催されました「日本ワイン造り手の会」主催のシンポジウムに行って来ました!

 タイトルは「ワイン法を考える 日本ワインの発展のために必要な法制度は何か?」。

今年の8月8日の毎日新聞の紙上に、「自国ワインの品質を政府が保証する新法『ワイン法』(仮称)の制定に向けた準備が自民党内で進んでいる。……」という記事が掲載され、日本のワイン法についての議論が盛んになって以来、誰もが思っていた(と思われる)、
「実際、造り手さんたちはどう考えているの?」
 という疑問についての答えを聞ける、たいへん貴重な時間でした。

鹿取みゆきさん
シンポジウムでは、はじめにフード&ワインジャーナリストで、『日本ワインガイド』の著者である鹿取みゆきさんの講演「日本のワイン造りの現状 〜栽培と醸造の実態を知る」がありました。
 日本のワイン造りは、今どうなっているのか。原料ブドウはいったいどのように日本国内で動いているのかなど、その後の議論のベースとなる、とても興味深い内容でした。

蛯原健介先生
次に『はじめてのワイン法』の著者である明治学院大学教授の蛯原健介先生が、「諸外国におけるワイン法制定の背景と日本の現状」として、ワイン法とはそもそもどういったものか、その歴史的背景や基本的な内容についてお話されました。

日本ワイン造り手の会
会長の酒井一平さん
そして「日本ワイン造り手の会」会長である酒井一平さんが「造り手の会からの提言と要望」を述べられ、続いて「日本ワインの発展のために必要な法制度は何か」という、パネルディスカッションとなりました。

 パネラーは、ブルース・ガットラブさん(北海道・10Rワイナリー)、酒井一平さん(山形県・酒井ワイナリー)、渡辺直樹さん(山梨県・サントリー登美の丘ワイナリー)、蛯原健介先生。ファシリテーターが鹿取みゆきさんでした。

 シンポジウムの詳細につきましては、日本ワインガイド公式ファンページの投稿をぜひご覧ください。

 日本ワインは今、本当に始まりの最中にあることを実感させるシンポジウムでした…! (K)

「日本遊戯史学会」で連珠の研究発表を聞いてきました!

 2014年11月22日、東京・高田馬場にある東京富士大学にて行われた「遊戯史学会」例会(研究報告)にて、公益社団法人 日本連珠社の理事である小林高一氏が発表をされると聞いて、さっそく行って参りました。

研究発表をする小林さん。
現在、連珠の入門書をご執筆いただいております。
来年春に発行予定です。
タイトルは、「連珠(れんじゅ)の歴史—先手必勝への挑戦」。
 「連珠」とは、「『五目並べ』を競技ルール化したもの」(日本連珠社ウェブサイトより)で、ミスをしなければ先手が必ず勝つ「五目並べ」とは違って、先手と後手が公平であるようにルール化されています。そのルールが、どのように考えられてきたかという変遷と、その内容についての研究発表でした。

 連珠は、明治中頃にゲームとして認知されたもので、昭和の初期には、囲碁・将棋よりも新聞での掲載が多かったのだそうです。
 研究発表後の質疑応答であった
「囲碁や将棋と比べて、連珠のおもしろさのポイントというのは何ですか?」
 という質問に対して、その魅力は「スピードとスリル」だと小林さん。
「囲碁はよく『戦争』だといわれ、一部が負けていても、全体で勝敗が決まる。そして将棋は『ケンカ』であると言われます。それに対して、連珠は『真剣勝負』だと言われ、一手ミスをすると、たちどころに勝負が決まる。一手一手の鋭さが違うと思います」

 囲碁と同じような道具を使っても、まったく別のゲームである連珠。勝負が決まるのが早いというのも特徴だと仰います。世界的に人気があることから、いろいろなアプリやPCゲームが出ています。自分は結構、挑戦しているのですが、一向に勝てません。でも小林さん曰く、アプリやPCは強くて6級くらい、なのだそうです。そうなんだ…。…。(K)

2014年11月24日月曜日

「ゲームマーケット2014秋」に行ってきました!


 11月16日に東京ビッグサイトで開催された、“国内最大規模のアナログゲームイベント”「ゲームマーケット2014秋」に行ってきました!

 こちらの「ゲームマーケット」、公式サイトの説明では「即売会や体験会などが楽しめる卓上ゲームユーザーの交流と新興を目的とした国内最大規模の卓上ゲームイベント」とありまして、当日、参加者の方に伺った説明によると「コミックマーケットの卓上ゲーム版のようなイベント」とのことでした。
連珠のブースではたくさんの人が
対局を楽しんでいました。
プロ・アマ問わず340以上の出展があり、たくさんの創作・新作ゲームが集まる中、我々が目指したのは、伝統ゲームのコーナーに出展していた「連珠」ブース。

 地図を頼りに伺うと、特設スペースに、どーんと連珠のコーナーが作られており、そこには世界レーティング8位という方をはじめ、日本を代表する連珠家の皆さまが、来場者の方々に連珠の手ほどきをされておりました。
 さて、ご挨拶もそこそこに、勧められるままに、中学生の有段者(!)のお二人とお手合わせいただくアラフォーふたり。

いざ対局となると、ものすごく緊張します。
…パチリ。
アラフォー1号(えっと、俺もう負けてる?)
…パチリ。
アラフォー1号(うーん。ここはどうかな?)
中学生「そこに打つと負けますよ」
アラフォー1号「じゃ、こっち!」
…パチリ。
………。………。
 しっかり負けて、丁寧かつ温かいご指南をいただきました。

 いやしかし、実際にやってみると、「連珠」の一手一手とは、こんなに手に汗握るものなのですね! 対戦って、面白い〜! そして次は勝ちたい!! と、ニコニコしながら会場をあとにしたのでした。(教えてくださったお二人、ありがとうございました。)

2014年11月17日月曜日

南三陸味わいナイトin東京

2014年11月15日、全日本さば連合会・会長で、サバニストである小林崇亮さんのご紹介で、東京・神田で開催された「南三陸味わいナイトin東京」に参加してきました。


 「南三陸味わい開発室」主催、南三陸町共催のイベントで、南三陸町復興情報発信ブログ「南三陸なう」によりますと、「これからはより深く町を知ってもらい、また楽しんでもらうことで未来に繋がる交流を生み出していこう!」ということで、始まった活動のひとつなのだそうです。

 その言葉どおり、おいしい味覚を楽しみながら、町の魅力がビシバシと伝わってくるイベントでした。今回は第2回目の開催で、テーマは宮城県内1位の水揚げを誇るという「シロサケ」。この内容がもう本当に素晴らしい。

サケのさばき方実演
「シロサケ」というのは、普段「サケ」と呼ばれる、お馴染みのあのサケのことだそうです。そして、サケって、白身魚だってご存じでしょうか? 私は知りませんでした。

 お話によると、サケは川にいる時は白身なのだそうです。そして、海を3〜4年回遊していく間に、エサとなった生物から「アスタキサンチン」という赤い色素が取り込まれ、サケの身をオレンジ色に染めるのだとか。
 そして、いよいよ産卵となった時には、浅瀬に上る我が身と大切な卵を紫外線から守るために、アスタキサンチンは身から体表や卵に移り赤くなり、そして身は白くなっていくのだそうです。

 川でヤナ漁によって獲られたシロサケと、沖で刺し網漁や定置網漁で獲られたシロサケ、それから養殖のギンザケの利き酒ならぬ利きサケもありました。身の色、そして味わいの違いに、こんなに身近な魚であるサケひとつとっても、まだまだ知らないことがあるんだなぁと納得。

お料理はオードブル、お刺身、串カツならぬ串カキなど、南三陸町の味わいが盛りだく
こちらは地元のムール貝の食べ方実演
さん。なかでも宮城県の郷土料理「はらこ飯」は、これがもう、サケのおいしいところをまるごと楽しめる絶品料理。
 サケの出汁で炊いたご飯に、サケのほぐし身とイクラをのせたご飯で、いくらのプチプチ感、脂の乗った鮭、出汁の利いたご飯がいっぺんに楽しめる贅沢な味わい。添えられたのは、こちらも魚のうま味が凝縮した「魚屋のごっつぉう雑煮」で、なんと南三陸町では穴子の干物を使って雑煮の出汁を取るのだそう。


「地元では、なぜか穴子をハモって言うんですよ」
「イクラにもランクがいろいろあって、本当に良いイクラは口に皮が残らないんです」
という魚の話も面白い。

いやはや、最近はあちこちに情報があり、いろいろなことがなんとなーく分かったような気になってしまいがちですが、やってみないと、食べてみないと、分からないことって、本当にいっぱいある!

「南三陸はおいしい」ということを実感した夜でした。ごちそうさまでした…!(K)








2014年10月25日土曜日

のだやさん企画の竹鶴三昧ナイト☆

竹鶴、ずら〜り。
東京・千駄木のリカーズのだやさん主催「竹鶴専務を囲む会」@谷中鳥よしに参加してきました。

 竹鶴酒造は広島県竹原市の酒蔵です。竹原市はその昔、製塩業でとても栄えた町だそうで、今も当時の家並みが残り、「安芸の小京都」と呼ばれるとても素敵な町です。竹原酒造には、以前取材で伺ったことがあり、社長様と石川杜氏の話に感動し、それ以来、見かけるたびに飲んでおりました。
 その竹鶴のお話を聞きながら、8種類が飲み比べできると聞いて、ワクワクしながら伺いました。お料理はアンコウ鍋です(^ ^)

合鴨農法米(H25 )
一番最初は、
「合鴨農法米(H25)」。じわーっと沁みるやさしい美味しさ。
次は「雄町純米(H23)」。肉に合うお酒と聞きました。キリッとした味わい。竹鶴専務にお酒のお話を伺いながら、味わう贅沢…!
そして、
造りは共通、田んぼ違いの「宿根雄町(H25)」、「大和雄町(H25)」。うーん。こんなに違うんだ!
さらにのだやさんから、年号違いの「大和雄町(H16)」! 年を取るっていうのも悪くないよね!
さらには、濁り酒の「純米雄町 にごり原酒」、生酛造りで吟醸酒の「生酛 純米吟醸」などなど、などなど……。

雄町純米(H23)
色合いも味わいも酒それぞれ
なんとこれらが全部、燗酒で出てきました…!
おぉ、体があったまる〜〜。

また、どのお酒も本当にお料理が美味しくなるのですよね。
あつあつジューシーなさつまあげ、心に残るカニサラダ、堪らないあんきも、刺身に煮物焼き物、しみじみおいしいアンコウ鍋。これらを肴に、竹鶴の燗酒。
あぁ、素晴らしい夜でした。

のだやさん、本当にありがとうございました。

あっ、このままだと、ホントにただの自慢話みたいなので、ご案内を…! のだやさんでは、こんな魅力的なお酒の会をしばしば開催されています。
告知は店頭やツイッターなどでされているようです。

http://www.e-nodaya.com

日本ワイン、日本酒がお好きなら、のだやさんは必訪ですよ〜!

以上、日本酒とワインは、二日酔いの感じがなんとなく違うなと感じている虹有社でした。(K)

2014年10月14日火曜日

ワイン法特別セミナー&懇親会が開催されました

10月13日、東京・渋谷のアカデミー・デュ・ヴァン青山校において、『はじめてのワイン法』著者である蛯原健介先生のセミナー『ワイン市場と法律の役割を考える〜なぜ造り手はワイン法を必要としたのか〜』が開催されました。
 企画およびコーディネイトは、『日本ワインガイド』などの著者である鹿取みゆきさんです。

 今日はその、とてもとても濃い時間だった、セミナーと懇親会の様子をリポートします…!

 セミナーではワイン法とは何か? という基本的なところから、EUワイン法制定の背景、そして現在のワイン市場の状況まで、幅広く充実の講義でした。『はじめてのワイン法』をすでに読んだ人にも、読んでいない人にも、きっと新しい発見のある時間だったと思います。
 セミナー後の質疑応答では、
「日本のワイン法はどうなっていますか?」
「日本がOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に加盟しないのは、なぜでしょうか?」
などなど、さまざまな質問が飛び交いました。

 またセミナーのテイスティングでは、勝沼ボトル入りの甲州、長野県原産地呼称ワインのメルロー、地元産のブドウのみを使ったワイン、北海道の原料を別の県で醸造したワインなど、講義内容にちなんだラインナップも興味深いものでした。


 そして懇親会は、なんと造り手の方にもご参加いただき、造り手の立場からワイン法についてのご意見を聞いたり、それに対する先生の見解、ご参加された皆さんのご意見、現場をよく知るジャーナリストとしての鹿取さんの見解などがあり、それぞれが「ワイン法」について、堅苦しくなく、意見交換する時間となりました。


 懇親会の会場は、本書の出版報告会でもお世話になった「青山バル」さん。素晴らしいお料理とワインを本当にありがとうございました!

それでは、当日のお料理とワインをご紹介致します…!



前菜
・秋鮭のミドュイ サワークリームのタルト
・秋刀魚、ナス、パプリカのミルフィーユ〜山椒の香り〜
・根菜のフリッタータ モザイコ仕立て

揚物
・無花果、キノコ、栗のフリット 
 利休あんと共に

焼き物
・恋し浜の帆立とムール貝のグラタン 
  味噌とイカスミのソースで

主菜

・山形県産A5黒毛和牛 イチボのロースト 
  青森県工藤農園 リンゴ(トキ)のソース

口直し
・日本のチーズ各種




ワイン

・シャトーT.Sスパークリングワイン爽輝(中伊豆ワイナリーシャトーT.S)

・シードル(はすみふぁーむ)

・キザンワイン(機山洋酒工業)

・プレステージデラウエア(ルミエールワイナリー)

・菊鹿シャルドネ(熊本ワイン)

・マスカットベリーA樽熟成(シャトー酒折)


・高橋葡萄園ツヴァイゲルトレーベ(高橋葡萄園)

2014年9月8日月曜日

『はじめてのワイン法』出版記念パーティを開催しました



青山バルさんで開催しました
こんにちは。
ちょっと二日酔いの虹有社です。

昨日、2014年9月7日、蛯原健介先生著『はじめてのワイン法』出版記念パーティを東京・青山の「青山バル」さんにて開催致しました。

当日は小雨のぱらつく中でしたが、会場内はワイン片手に明るく和やかな雰囲気でスタート。


左から山本博先生と蛯原先生




はじめに蛯原先生のご挨拶があり、
その後、日本輸入ワイン協会会長、日本ワインを愛する会会長であり弁護士の山本博先生からご祝辞を頂きました。












戸塚昭先生
続いて、一般社団法人 葡萄酒技術研究会の代表理事であり会長の戸塚昭先生からご祝辞と乾杯の音頭を頂きました。

その後、日本ワインを愛する会の事務局長で塩尻ワイン大学学長の遠藤誠先生、ベイシス・ワインスカラ主宰のワインジャーナリスト石井もと子さん、一般社団法人 葡萄酒技術研究会の専務理事の村上安生さん、前衆議院議員の勝又恒一郎さんから、ご祝辞を頂きました。
馬刺しの春巻き!






ワインは、蛯原先生の故郷である熊本にちなみ、九州や関西のワイナリーのものが並びました。
例えば…
都農ワインのマスカットベリーAエステート
広島三次ワイナリーのメルロー樽熟成
などなど、
お料理も辛子レンコン風のレンコンの詰め物や、馬刺しの春巻きなど、熊本にちなんだフィンガーフードがずらり。
おいしいワインと料理がパーティを盛り上げてくれました!青山バルの皆様ありがとうございました。


1次会、2次会ともにおおいに盛り上がり、盛会のうちに幕を閉じました。
ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。


蛯原先生の初の単著となる『はじめてのワイン法』は、
自民党がワイン法制定に向けた準備を進めているという驚きのニュース(毎日新聞/2014年8月8日)から、まもなくの発行となりました。
先生は本書の中で、「どのようなワイン法が日本にふさわしいのかを考えるための材料を提供することができれば」とお書きになっています。
日本のワイン法はどのようなものがよいのか? そもそもワイン法とは何か? なぜ必要なのか?まずはこの1冊から、ぜひ、お手に取ってご覧ください!(K)

2014年7月14日月曜日

ただいま、新刊書籍『はじめてのワイン法』を制作中です

ただいま、新刊書籍『はじめてのワイン法』の編集作業の真っ最中です。

ワインと法律。

そう書くと、何だかとても難しそうですが、ラベルの見方であったり、産地であったり、品種であったり、そういったさまざまなことを定めているのが、ワインの法律です。だから、その内容は、実はワイン好きの方にはお馴染みの事柄だったりします。

 著者はワイン法の研究者として名高い、明治学院大学法学部教授の蛯原健介先生。
先生の原稿を拝読すると、ひとつの法律が決まるまでにはさまざまな経緯があって、人の暮らしがあって、各時代の多くの人にとっての最善を求めて、改善を繰り返した結果、今の形になっているのだと感じられます。法律や規則には、実はとってもいきいきとした物語があるのですね。

 ワインは、より深く知ろうとすればするほど、ややこしい。
 法律も難しい。
 でも、その面白さを分かりやすく教えてくださいます。
 すでにワインのさまざまなルールが頭に入っている方も、ワインを学び始めたばかりの方も、それらの大元となる法律の成り立ちや内容を知ることで、そうだったのか! という発見が、きっとあるはずです。

日本で初めてのワイン法の入門書です。ほかにはありません。
ぜひぜひ、お楽しみに! (K)

2014年6月22日日曜日

『においと味わいの不思議』発刊記念特別公開講座が開催されました

 2014年6月21日、池袋コミュニティ・カレッジにて、弊社刊『においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる』のトークイベントが開催されました。

 本書のナビゲーターである鹿取みゆきさんが主催。著者である東京大学の東原和成先生、醸造家の佐々木佳津子さん、鹿取みゆきさんが、においと味わいの不思議について語り合うという豪華なイベントになりました。

 たくさんの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。


『においと味わいの不思議』は、もともとワインスクールで開かれた全4回の特別講座を本にまとめたものです。今回のイベントは、ひとつの講座が開かれ、書籍になり、その本のトークイベントが開かれる、という構造だったのですが、本を読まれて参加された方からも、「非常によく理解できて楽しかった」と、ご感想をいただきました。

 本になるときには、その内容が、取材したものであっても、何かの講座でも、または著者への聞き書きでも、著者の頭の中に蓄積されたものであっても、それを目的に応じた順序にするために、または内容が多くの方によりよく伝わるように、著者と編集によって、削除と加筆が繰り返されます。それによって文章が練られ、原稿がまとまっていきます。その後、デザイナーさんの手によって、紙面にレイアウトされるわけですが、デザイナーさんも我々編集も、著者の伝えたい内容が、いかに真っ直ぐ読者に伝わるかを考えて、あれこれと思案するわけです…。

 もちろん今回、講座と本とトークイベントと、まったく同じ内容ではありませんが、ある「知識」や「考え」が、ライブの講座から本という物になって、またライブになっている姿を見て、自分のやっている仕事は、人の思想を本という形にすることなんだなぁと、しみじみ感じた次第です。そしてなにより、著者先生のパワーに圧倒される一日となりました。


『においと味わいの不思議 知ればもっとワインがおいしくなる』
なぜ、人はおいしいと思うのか?
臭いにおいは本当に臭いのか?
ワインや食べ物の香りはどこから生まれてくるのか?

その答えが、きっと見つかります。
ぜひ一度手に取ってご覧ください。ただいま2刷りを好評発売中です…!(K)

2014年5月13日火曜日

新刊『忘れてはならないこと 東日本大震災ボランティア活動報告書Vol.2』

先日、知り合いに、「虹有社のブログは、『まいにち虹有社』というタイトルなのに、全然更新されないね。年1回だけ更新される『まいとし虹有社』に変えてもいいんじゃない?」というようなことを言われました。

一瞬、「いいアイデアだな」と思いましたが、年1回の更新を、なんにするか悩みそうなので、「まいにち虹有社」のままでいきます。

さて、新年のご挨拶以来の更新ですが、その間に新刊を1冊出したので、ご紹介します。
(Vol.1の紙の本は完売したため、電子書籍のみ発売中です)

この本は、亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科の学生が、東日本大震災からの復興のために、ボランティアに行った際の活動報告書です。
学生自身のレポートが中心で、現地に行く前、行ったとき、そして行ってから、彼らがどういう思いだったかを素直に書き記しています。

震災から2年8カ月。
「私たちにできることはあるの? ほんとうに役に立てるの?」
「被災された方に、どういうふうに接したらいいんだろう?」
不安だった学生たちは、岩手県の釜石、大船渡、宮古でボランティア活動を行います。

写真洗浄、民家の清掃、現地の人たちとの触れあいなどを通して、学生たちは、ある共通の思いを抱きます。

彼らが抱いた被災地への思いとは?
彼ら自身の言葉でつづった本書で感じてみてください。

(S)



2014年1月1日水曜日

あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

みなさまにとって、すてきな年でありますように。

虹有社スタッフ一同


新年のご挨拶 柴田純志(『ウェストファリアは終わらない』著者)

明けましておめでとうございます。

2014年がどのような年になるかにつきましてはまったく想像がつきませんが、2014年から過去を振り返ってみることは案外容易です。

冷戦は1989119日のベルリンの壁の崩壊によって実質的に終焉したということができると思います(こういう奥歯にものの挟まったような言い方をわざわざするのは、冷戦がいつ終わったかについて様々な議論があり得るからです)。2014年は、冷戦の終焉から四半世紀、25年が経過した年となります。考えてみれば、第2次世界大戦(これも大東亜戦争と言いたいところですが、それを太平洋戦争と言いたい人もいたりして、これまた議論のあるところです)が終了して25年と言えば、1970年、大阪万博の年なわけで、結構な時間の経過だと思われますが、正直言って、冷戦以後の25年間は1970年に至る25年間よりもはるかに短く感じられます。

少し時間を遡りますと、100年前、1914年は第1次世界大戦が勃発した年です。つまり、2014年は第1次世界大戦から100年の年でもあります。私たちは一般に、どこの国でも、自国の経験した最大の戦争から様々に大きな影響を受けています。日本人にとっては、やはり、第2次大戦の存在は大きく、日本人のものの考え方や社会のあり方にもっとも大きな影響を及ぼしています。戦争と言えば、第2次大戦をイメージするのが普通の日本人ではないでしょうか。あまりものを考えないと、てっきりどこの国も第2次大戦での被害が最大のものと考えがちですが(今のロシア、昔のソ連は確かにそうですが)、実は、案外そうではありません。イギリスでは、大文字で書くGreat Warとは第1次大戦のことで、イギリスの若者がもっとも多く死に、そして、傷ついた戦争が第1次世界大戦だったのです。イギリス人の持つ戦争のイメージはこの戦争から大きな影響を受けています。いずれお話しする機会があると思いますが、第1次大戦は、様々な意味で、世界の歴史の大きな曲がり角でした。実際に大きな被害を受けなかった日本人ではなかなか理解のできないところです。

ちなみに、アメリカ人が経験した戦争で、もっともアメリカ人の死んだ戦争は南北戦争で、海外での戦争よりも内戦での死者の方が多いわけです。第2次大戦よりも、朝鮮戦争、ベトナム戦争よりも南北戦争での方が死者が多かったというのは案外知られていないことで、アメリカ人の戦争観には、たぶん、それ故の独特なものがあるように思います。


2014年が、できるだけ戦争のない平和な年になってくれたらとは思いますが、どうもそうはいかないような気配です。新年の辞としては幾分不吉な感じとなってしまいますが、皆様方個々にとりましては、平穏で幸福な一年になりますことを心よりご祈念申し上げます。

柴田純志